なぜリフォーム時期が大切か
リフォームの適切なタイミングを逃してしまうと、お金や暮らしの快適さにおいて、さまざまな問題が発生します。
交換や解体作業のための工事も必要になると工事期間も長くなるので、場合によっては住みながらのリフォームもできなくなり、一時的な仮住まいや引っ越しのための費用もかかります。
たとえ浴室やキッチン1箇所だけであっても、リフォーム工事が1週間位にもなると、住むためのスペースはあっても工事期間中に入浴や料理ができないので不便ですよね。
定期的なメンテナンスをし、異常に気づいたときはすぐに処置することが、無駄な出費を防ぎ、良い住環境を保つためには重要です。
また、屋根の工事や、2階以上の建築物の外壁の工事では、必ず足場を組みます。
この足場を組む作業にも、それなりの時間と20万円前後の費用がかかるので、リフォームやメンテナンスを行う際、足場を組む必要がある工事はまとめて行うと効率的です。
築年数ごとに必要なリフォーム
家にまつわる設備や資材には、それぞれ寿命があります。
壊れてしまってからの交換や改修では、生活に不便な期間があったり、家に負担をかけてしまったりするほか、費用が余分にかかってしまうこともあります。
メンテナンスが必要なタイミングを知っておくことで、効率的にリフォームできます。
まずは住宅の築年数ごとに、どのようなリフォームが必要になるかを確認しておきましょう。
※下記メンテナンスの時期は、お住まいの立地や構造などの条件で変わりますので、目安としてご覧ください。
築5〜10年 |
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<早めのメンテナンス時期> 小型給湯器、浴室のドア、天井、室内の壁や外壁など、ちょっとした部分の破損や汚れが気になり始めます。 まだ使えることが多いですが、早めにメンテナンスをすることで、住まいの寿命を伸ばせます。 木造住宅などの場合は、防蟻処理も5~10年のサイクルで行うようにしましょう。 |
築10〜15年 |
<水まわりの取り替え時期> 浴室・トイレ・洗面台・キッチンなどの水まわりに不具合が出始める時期です。 水まわりは使用頻度が高く、湿気が多い場所なので劣化が早いです。 また、屋根材・雨樋・外壁は雨風にさらされているので、亀裂などを発見したらすぐに補修しましょう。 余裕があれば、壁紙クロスの張り替えもできると理想的です。 |
築15〜20年 |
<最初の大規模修繕時期> 15〜20年経つと、給排水管や建物の土台など、住まいの見えない部分が老朽化し始めます。 木造住宅の場合は、シロアリなどにも注意が必要です。 適切な時期に大規模修繕を行い、住まいの寿命を伸ばしましょう。 |
築20〜30年 |
<増改築レベルのリフォーム時期> 住宅の耐用年数は、一般的には30年前後と言われています。 構造によっても違いはありますが、多くの住宅で増改築レベルのリフォームが必要です。 また、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを見直し、間取り変更などを検討するのも良いでしょう。 |
床・畳・壁紙まわりのリフォーム時期
内装まわりのリフォームサイクルには特に決まりはありませんが、汚れや傷みが目立ってきたら順次交換をしていくと良いでしょう。
部屋の用途や使用頻度によって変わってきますが、フローリングやクッションフロアなどの床材は10年前後で劣化してきます。
畳の場合は3~5年で表替え、10〜15年位で新調するのが主流です。
壁紙も10年位が目安ですが、新築の時は木材の歪みで破れてしまうこともあるため、比較的早く張り替えることもあるようです。
まず床のリフォーム時期ですが、洗面所や廊下などの床に沈み、へこみを発見したときや、歩くときしむ音がする状態になった場合、床材の補修を検討しましょう。
畳の場合は「裏返し」「表替え」「新調」の3通りの方法があります。
以下の場合は、畳を裏返すだけで解決します。
畳全体が青から黄色に変色したとき |
ペットや赤ちゃんが遊んだなどの理由で、傷が目立ち始めたとき |
和室全体の中で一部の畳が変色しているとき |
畳の裏返しで済む時期は、基本的に2〜5年です。
裏返してから3〜5年位経過したら、表替えをしましょう。
なお他の床材と同様に、畳も沈み込みがある場合や、表替えから5年ほど経過した場合には、張り替える(=新調する)必要があります。
壁紙クロスは、隣の壁紙との継ぎ目などが剥がれている場合、交換を行いましょう。
また、継ぎ目が線状に見えるようになったら、1、2年以内に張り替えた方が良いという合図です。
水まわり・コンロ・給湯器まわりのリフォーム時期
水まわりは、基本的に10年を過ぎたあたりから、不具合が出てくるのではないでしょうか?
急に壊れて困るようなことを防ぐためにも、5年を目安に定期点検をしておくと安心です。
水まわり・ガスまわりの劣化状態は、見た目にはわからないことがほとんどです。
設備やその周囲に目立ったキズや汚れがなくても、土台や下地材の腐食が知らない間に進んでいた、というケースが非常に多いのです。
中でも気をつけたいのが、昔ながらの住宅に多い、タイル張りの浴室です。
築20年を過ぎると、小さなひび割れ部分から水を吸い込んでしまい、さらに水漏れやシロアリが発生し、見えない所が腐食していくのです。
高湿で暖かい場所はシロアリに好まれるため、お風呂場の近くはシロアリ被害に合うリスクが高いです。
水まわりやガスまわりは、以下のような現象が起きていたら、早めに改修することを推奨します。
しつこい油汚れ、カビが取れないとき |
排水口のヌメり、詰まり、臭いが気になるとき |
蛇口、シンク下から水漏れしているとき |
腐敗が進んでいるとき |
換気扇、食洗器、IHやガスコンロ、レンジフードに不具合があるとき |
水まわり・ガスまわりに関しては、特に不便さを感じることがなかったとしても、基本は10年、長くても15年おきには必ずメンテナンスを行ってください。
目的別のリフォーム時期
建物や設備の年数や劣化以外でも、家族の生活の仕方や、将来の住まいのあり方について考えたいときにも、リフォームを行った方が良いことがあります。
ライフスタイルの変化に対応するリフォーム子供が増えたり、高齢化などで両親と同居をすることになったり、とライフスタイルが変化した際に、暮らしに合わせてリフォームを行うご家庭が多いです。
具体的には、子供部屋を作る、二世帯住宅にする、バリアフリーにする、などのリフォーム方法があります。
「今のままでも暮らしてはいけるけど、より快適な家にしたい」という目的でリフォームを検討することもあるでしょう。
システムキッチンの導入や、床暖房の設置、オール電化、和室から洋室へのリフォームなどが人気です。
このようなリフォームを上手く組み合わせることによって、さらに快適な住環境を実現できます。
今の家により長く快適に住むためには、今の状況だけを見るのではなく、今後年齢を重ねていく内に不便に思うことはないか、計画的にリフォームを行うことがとても大切です。
設備が壊れたときだけではなく、ゆっくりリフォームについて考えられるタイミングで、改めて家全体のことを見直してみると良いでしょう。
目の前のことだけでなく、長い目で将来を見越したリフォームをしておくと、より安心です。
【この記事のまとめ&ポイント!】
なぜ、適切な時期に住宅のリフォームをすることが大切なのですか | ||||||||||||
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建物の老朽化などの場合、放置すると修復が難しくなることが多く、工事費用が高くなる傾向があるからです。 | ||||||||||||
「水まわり」「外壁まわり」など部位ごとの、リフォーム時期の目安を教えてください。 | ||||||||||||
例えば「水・ガスまわり」は10~20年 (本体交換も要検討)が目安です。
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